2008年7月 7日
家に帰ろう 7
今日は七夕。
先日、知人のお見舞いで病院へ行きました。
入院病棟の七夕の短冊に目をやると、たった一行
「ともだちがほしい:けんたろう」
と書かれていました。
その隣に
「けんたろうくんのおねがいがかないますように:まりな」
という短冊を見つけ、とてもほほえましい気持ちになりました。
そのあと、なんだか切なくなってきて、時間がたつにつれ悲しくなり、
最終的には情けなくなってきました・・・小野です。
久しぶりですが、こんな日にはこういうブログがいいかもと思い、PCに向かっています。
今回は小説のご紹介。
ここのところ小説を読むことが多かったのですが、その中でもお薦めの一冊を。
まずはこちら。
「ワルボロ」 ゲッツ板谷
以前にもご紹介しましたが、私の大好きな作家さんです。
といってもエッセーやコラムのことで、
初の小説はどんなかなという好奇心から入りましたが、
まあ、これがひじょうにおもしろいこと。
中学生のワルくてボロい、それでいてまっすぐな青春物語は、
ページをめくるにつれ、だんだんと熱くなっていく私がいました。
たぶん、私たちの世代(昭和50年生まれ頃)にはまちがいなくウケます。
書かれている描写がすごくリアルで懐かしく、そしてその状況にはまり、
興奮してくるのは私だけではないはずです。
中学生という大人でもなく子供でもない狭間のような時間は、
今思出すと、すごく面白い時代だったと笑えますが、
そこを生きる本人達はすごく一生懸命で、それがあってこそ
大人になれるんだと、読みながら思いました。
元気になれる一冊です。
お次はこちら。
「わたくし率イン歯ー、または世界」 川上未映子
いやぁ、すごい小説です、コレ。久しぶりにやられました。
芥川賞受賞などと書かれていたので、なにげなく読み始めたのですが、
いやいや、深い。深すぎて、私のようなひよっこは打ちのめされて、
完全に読むのを放棄しそうになりました。意味わからないと。
手紙によって展開していく物語は、基本的に語りかけで進んでいくのですが、
たいへん読みにくく、またその文面がかなりの曲者。
それでいてその手紙の内容が暗くつまらない・・・。
序盤、そんな感想しか持てなかった私はまだまだだと思いました。
そう、これがはまっていくんです。
とくに「三年子」と「青木」との人間模様、そして主人公の妄想と現実とがリンクして、
入り込みつつ、いつしかその曲者の文面すら心地よいリズムとなっています。
ごめんなさい、うまく伝えられません。とにかくご一読あれ。
そして最後はこちら。
「一瞬の風になれ」 佐藤多佳子
おもしろい。なによりすごく気持ちのいい小説でした。
上の二つとは対照的な正統派小説で、ストーリーはいたってシンプル。
陸上競技を通じての、すがすがしい青春小説で、
三冊にわたる長編ではあるのですが、まったくもって長いとは感じさせません。
陸上初心者の主人公の目線で書かれているため、
たいへん分かりやすく、いつしか主人公になりきってしまうという、
さり気なく優しい小説で、友情、努力、忍耐、挫折、家族、そして恋心と、
「青春」という言葉を外人に説明するとしたら、
コレが一番手っ取り早いかなというような、本当にさわやかな小説です。
読み終えたとき、例外なく走りたくなります。
嘘だと思ったらぜひ読んでみて下さいね。
ということで、今回は「森田これだけは読んどけ」シリーズでしたが、
なかなか最近はよむ時間もなくなり、のむ時間ばかりが増えている・・・
そう気付いた今日この頃です。
私の短冊にはこう書きました。
「ひとみしりが治るように」
願い叶うかな・・・


コメント
ご無沙汰しております!
やっと私のオススメ“一瞬の風になれ”を読んでくださったんですね☆
私、大好きなんです。あの熱い青春という感じがたまらないです。
ドラマ化されたのをご存知ですか?
がっかりでしたよ・・・。だって、スタートとゴールで競技場が違ったんですから。そんなドラマ・・・どんなだったか想像できますよね?
最近連絡もないので、どうしているのかと思ったら、血便だなんて書いてあるのでびっくりしましたよ!!
大丈夫ですか?
仕事のしすぎもお酒の飲みすぎも毒です。ほどほどにしてくださいね!
健康第一ですから(^^)v
それでは。
私も小野さんオススメの本を読んでみますね!!同世代ですからね♪
今年私は『早口言葉が言えるようになりますように』と願いました☆
>ムール貝さま
どうもどうも、ご無沙汰してます!
いやいや、ホントいい本をご紹介くださりありがとうございました!
すごく気持ちのいい本ですよね。夏目くんの車にも載ってました、コレ。
私は幼い頃、走るのが得意でクラスでも一番早かったのに、
徒歩1分の超近所に“としちん”という幼なじみがいて、
ずっととしちんのことを抜けなかった私は、地区対抗の運動会の、
各学年の一番早い子が代表で出る「人生行路」という
小学生から大人までがリレーをしていくその大会のメインイベントに、
ついには出られないまま、地元を出てしまいました。
みんなでその代表選手を決める話し合いの後は、悔しくて悔しくて、
いつも一緒の親友のとしちんをおいて、先に帰ってしまっていました。
その悔しさは今も鮮明に覚えていて、新二に自分の姿を重ねてしまいました。
今思えばそんなにこだわることでもなかったような気もしますが、
それが青春なんじゃないでしょうか。
逆に大人になったらなかなか手に入れられないもの、
それがこういったことなんだと思いました。
いやぁ、いいですねぇ、ピュアで。
昨夜の記憶を探し求めて、とりあえず一緒だった人に頭を下げてる自分を見て、
大人にはなりたくないなぁと思う私でした。
投稿者: ムール貝 | 2008年7月11日 13:03